2021.10.28
【受賞】本学学生が日本民俗学会研究奨励賞・福崎町賞を受賞
日本歴史研究専攻2年の牧野さんが日本民俗学会研究奨励賞を受賞
このたび、日本歴史研究専攻2年の牧野由佳さんが、 第41回(2021年度)日本民俗学会研究奨励賞 及び福崎町賞を受賞し、10月9日(土)の日本民俗学会年会にて授賞式が行われました。
福崎町賞は、柳田國男の生誕地である兵庫県神崎郡福崎町から副賞として贈られる賞で、受賞者は翌年度、福崎町で講演会を行う予定です。
受賞者
- 文化科学研究科 日本歴史専攻 2年 牧野由佳さん
- 受賞論文: 「知多半島『朝倉の梯子獅子』の戦後における伝承の変容 ―文字メディアの影響に注目して―」(『民俗芸能研究』第69号,2020年9月,民俗芸能学会)
- 受賞講評(抜粋): 本論文は、愛知県知多市旧朝倉村の氏神社、牟山(むさん)神社の例祭(毎年 10 月第一日曜日)で演じられる獅子舞「梯子獅子」を取り上げ、その起源譚、芸の所作についての解釈、祭礼の日取りに関する伝承の変容と固定化などについて論じたものである。
本論文は、担い手の世代間による伝承の相違を出発点に、文化財指定が芸能の起源や意味づけに対する住民の再帰的意識を高めること、キーパーソン的人物による「自己流の解釈」の出現とその伝承化、そこに絡む文字メディアを中心としたメディアの力とその種類による伝承への影響力の違いなどについて、緻密な現地調査をもとに丁寧に論じている点が高く評価される。
将来的な課題を含みつつも、本論文は、民俗学における伝承研究にとって貴重な成果を提供する論考であり、また今後のさらなる議論の展開も期待できることから、本委員会は全員一致で、第 41 回日本民俗学会研究奨励賞を授与するにふさわしい論文であると判断した。
受賞コメント
この度は、栄誉ある賞をいただき、大変嬉しく感じています。今回の成果は、日頃から親身にご指導頂いている指導教員の松尾恒一先生や、内田順子先生、調査にご協力頂いている「朝倉の梯子獅子」関係者の皆様をはじめ、多くの方からのお力添えがあったからこそ得られたものと、感謝しております。
今後も、日本列島における梯子獅子の伝播や、地域における梯子獅子の伝承の意義の解明を目指し、より一層の精進を重ねてまいります。