第2回(2014年9月10日)

Yasu通信

すばらしい学術成果を論文・著書として総研大から発信を

Yasu通信 第2回(2014年9月10日)

総研大生の皆さん、稔り多い秋がはじまりましたが、元気に励んでおられるでしょうか。

まず皆さんに、うれしい報告をします。既に総研大ホームページに記事(注1)が出ていますように、総研大が2008-2012年における論文引用度指数において、総合分野で第14位にランクされました。
分野別では、神経科学で第3位、動植物学で第4位、分子生物学・遺伝学で第10位、物理学で第13位に総研大がランクされています。
また、これも「2015年版大学ランキング」(朝日新聞出版)からの情報ですが、総研大は2008-2012年における海外機関との共著論文数が全論文に占める割合が36.89%であり、これは日本で第6位、国立大学で第1位にランクされています。
これらは、総研大生と総研大教員が、いかに"国際連携"を行いながら、すばらしい内容と質の論文を発表しているかの証拠だと思います。

「書いてなんぼの研究者」(大阪弁なので、わからない人は、関西出身者に尋ねてください)とよく言われているように、研究者やそれをめざす大学院生は、成果を論文や著書として対外的に発表する必要があります。
それは、まず第1に、論文や著書としてまとめあげることによって、当該研究を完成させて自己責任を全うするという意味があります。
いくらよい仕事でも、未発表に終るというものは、その殆どが未完成であると言わざるをえません。
なぜならば、書いてみてはじめて、あれが欠けている、これも不十分だということが判るものだからです。
第2には、他の研究者にこの成果が正しいものかどうかの検証を求めると共に、この成果の更なる発展を求めることによって、研究者コミュニティでの責任を果たすという意味があります。
第3に、私達の研究のための経費の多くは国民の税金によってまかなわれおり、その成果の報告責任を果たすという意味があります。

引用度の高さは、結果として付いてくるものであり、はじめからめざすものではありません。しかし、どのような論文が結果としてよく引用されているかについては、知っていた方がよいでしょう。
それはまず第1に、内容がオリジナルであり嘘偽りがないことです。その点で自信があれば、必然的にコピペのような問題も生じないはずだと思います。
第2に、仕事の内容が、異なる分野を跨ぐ"異分野連繋"的なものであり、複数の分野の研究者の関心を呼ぶものであることです。
第3に、この成果が新しい考え方を打ち出していて、多くの研究者をその検証に参入させるものであることです。
第4に、最も優れた場合には、その結果として新しい分野を拓くという波及効果、すなわち"先導性"、を示すものであることです。

論文や著書の発表に至った暁には、その成果を一般市民や子供達にもわかりやすい形で説明できるかどうかを自分に問う習慣を身につけて下さい。
そして、それが可能であり、しかもその成果がすばらしいものである時には、プレスやホームページなどを介して情報発信を行うことを、総研大としてもお手伝いしたいと思います。それは国民への説明責任を果すと共に、自分の仕事と社会との関係を見つめるという"社会連携"の第一歩となることでしょう。

論文や著書で記載されるべき皆さんの所属名には、必ず「総研大SOKENDAI」を加えてください。
皆さんのお一人お一人には総研大からも多大なるサポートが行われていますので、それは言わば「義務」ではないでしょうか。
これ以上に重要なことは、「総研大SOKENDAI」の知名度を高めることが、将来において皆さん自身の履歴の輝きを増すことになることなのです。
それがまた、総研大に優秀な後輩達を導き入れることをもたらすと共に、上記の大学ランキングにおいても総研大が更に高位を、もっと多くの分野でも、得ることにつながるのです。それがゆえに、総研大の学融合推進センターは、総研大生の皆さんが著者の一人となっていて、所属に総研大が明記されている研究論文に対して、その掲載費用(最高10万円)を補助する事業(注2)も行うことになりました。

私は、総研大を更にすばらしい大学とするために、"異分野連繋"、"国際連携"、"社会連携"、"基盤機関連係"という4つの連ケイと"先導性"をキーワードに、多くの改革を進めています。
その一環として、総研大生の皆さんによる優れた研究成果が論文・著書として発表され、その情報発信が基盤機関と総研大の両方から更に活発に行われていくように、機構や基盤機関と連係しつつ、全力でサポートしたいと考えています。
皆さんも、論文・著書が発表された際には、そのつど総研大本部(yasu(at)soken.ac.jp)に連絡をして下さるようお願いします。
※(at) → @ に書き換えてください。

総研大と皆さんの未来は、皆さんの研究とその成果発表にかかっています。ではまた。

ゴキゲンヨウ。


注2)次を参照 http://cpis.soken.ac.jp/project/research/ronbunhojo/index.html

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